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■2024年の年頭所感
2023/12;近影
お世話になっております。本年も変わらぬご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
今日の世界動向は、旧約聖書の古来からの人類の課題は未だに改革も改善もしていないと思わせます。「宗教」や「主義」を隠れ蓑にした、覇権者の思惑で、人権を無視した領土や資源の奪取支配が日常茶飯事のように起こって、内乱や戦争になっている。争いは、スポーツの世界の競いにしてもらいたい。
戦後の日本は、鉄鋼、自動車、電気製品、精密機械、高品質化技術等は、自国の復興に充てると共に戦後補償のODAや民間企業の活動と基にして、開発途上国に積極的に提供してきた。その成果は、多くの国が近代工業経済を構築して、経済の平等化に貢献している。日本のように「科学」と「新技術」の協栄と展開で、世界の人々に本当の幸せをもたらしてくれる日が、1日も早く訪れることを切に期待している。
私のプラスチック材の熱接着のヒートシール技法の研究と技術開発は、私の生涯的な課題になって、そろそろ40年にもなっています。
お陰様で、開発された新ヒートシール技法は、最高順位の課題である
「レトルトパウチ包装のHACCP」
を実践レベルの改革案に持ち込むことが出来ました。
その実践策を
【表】
に示しました。今迄、この課題は生産者に圧倒的な負担が掛かっていました。この提案では、「包装機械メーカ」と「製袋製作者」の協業方法を提示しました。これで生産者は、容易な【CCP】の改革管理ができるようになりました。
【表】
レトルトパウチの包装工程の【HACCP】の改革案
[標本包装材料:PET12/AL7/CPP70]
具体的には、次のような指標が設定できた。
①微接着強さの製袋に対する圧縮圧、落下衝撃によるヒートシールエッジの剥離
面積の計測で、破袋エネルギーの実測;
共通指標として
[10N/15mm]以上
の
剥れシールを獲得
②ヒートバーの
加熱面温度を検知
した温度調節;
ヒートバーの加熱面温度の制御で
発熱温度の
揺らぎ
外乱
を削除して、
±1.0℃の獲得
③
ヒートシール面の
外面温度
のリアルタイム計測
の≪界面温度制御≫の適用で、
溶着面(接着面)温度応答を直接的計測と制御(フィードバック、カスケード
制御、AI制御)で
界面温を
±1.5℃の取得
④製袋時の予熱の【Hishinuma 効果】で、トップシールの両端に
シール不全の
貫通孔が発生する重大事
を発見;
トップシール両端
を
界面接着温度以下
になる
ように製袋工程の管理を徹底
⑤充填工程に
「液だれ制御」
を導入
して、
ヒートシール面に液滴が付着しないよう
に
管理
⑥上記を徹底した
包装機と製袋パウチに
認証制
を図り、関連部署の
協業化
を果たす
これらの実践で、レトルトパウチ包装の【HACCP】の信頼性は、
≪3.0~3.5σ≫
に管理できるようになった。
既に包装機や製袋工程の
認証仕様
のエンジニアリングサポートを始めています。
レトルト包装の完璧な技術確立が未完で、躊躇していた2冊目の「新ヒートシール教科書」の刊行に精を出せるようになりました。今年こそ早期な発刊に結び付け、関係各位のご期待に応えたいと念じています。
本年もよろしくお取り計らいをお願いいたします。
2024年元旦
菱沼技術士事務所
〒212-0054川崎市幸区小倉5-6-21
E-mail:
rxp10620@nifty.ne.jp
URL:
http://www.e-hishi.
net
Tel. 044-588-7533, FAX. 044-599-8085
変わりました↑
■2023年の年頭の所感
と
開発中の新規技術のご案内
2022_12撮影
お世話になっております。
世界の人口は80億人を超した。地球の自然力の限界を超し、
生水
、
食料
の奪い合いが始まろうとしている。そして、地球の埋蔵資源の乱用は、全地球の生命体の生存も危うくしている。更にコロナ禍が収まらず世界が混沌としている中、世界が一つにならなければ成らない今、
帝国復活
や
覇権奪取
のための一権力者の“
エゴ
”で、戦争が行われている。私の物心のついた頃(いわゆる終戦後)、一人一人が頑張れば、21世紀には、世界中に教育が行き届いた平和と豊かな生活が訪れるものと教えられ、信じて生きてきた。(約50年前)自分の生活が未だ貧しかった頃、開発途上国と言われた中国、韓国や多くの国々に血税の多額なODA支援が行われた。でも発展している日本と同じように、多くの国々にも嬉しいことが、一緒に実現すれば良いと信じて、我慢をしていた。しかし、その21世紀になって、何十年、何百年前以上の許しがたい凄い不幸が起こっている。自分が学んできた博愛主義が何であったのだろうと空しく思っています。
【私の研究/技術開発の進行状況】
私の生涯の仕事となった
ヒートシール
技術/理論の革新の峠が見えてきました。
≪界面温度制御≫
の現場への実践で、ヒートシールの接着面温度を
[±1.0℃]
の精度
で、直接的な
Feedback制御
[界面温度の
AI制御
;界面温度応答を基軸にしたヒートバーの「表面温度」と「接着面温度」調節のダブルCascade制御]が出来るようになって、運転中の加熱温度が直接表示できるようになり、製造現場の多くの方々に
“見える安心”
を提供できるようになりました。
≪界面温度制御≫
の現場への応用で、実際の“不具合”が
①設定運転条件の是非
(・回分動作数、・適格な温度設定)
、
②包装材料の設計の是非
(・表層材の軟化開始温度、・それに合わせたシーラントの接着発現設計)
、
③包装機性能の是非
(・加熱温度の見える化、・加熱時間の確保の是非)
を
数値で確認
できるようになって、誰でも容易に
“不具合”原因の追究
ができるようになりました。軟包装の密封技法の品質改革が始まっています。
昨年に予告した発刊(
「新ヒートシール教科書」
)計画は、研究の進化が激しく、これに間に合わず遅延しています。是非、本年は完成したいと思っています。
本年も健康維持に努め、元気に頑張って、各位の更なるご指導、ご鞭撻を仰ぎ期待に沿いたいと存じます。
2023年1月1日
菱沼技術士事務所
〒212-0054川崎市幸区小倉5-6-21
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■2022年の年頭の所感
と
開発中の新規技術のご案内
2021_12近影
お世話になっております。
コロナ禍は人類の今迄の生き様にこれでもか、これでもかと問い続けている。科学は僅かな期間でワクチンの開発に成功し、感染拡大の制御に目途は付けたものの貧富の差に対応していない。
18世紀の半ば頃に始まった
産業革命
は石炭エネルギーを利用し、産業の大規模な工業化で、人々の生活を一変している。そして工業経済と資本主義を創成した。
10億人足らずであった世界人口は
0.83億人/年
の直線的ピッチで増殖し、今や80億人に接近している。2050年には
90億人
になると予測される成長(人口爆発)となっている。 今や人が生きていくための
食糧/生水
の
枯渇
が始まっている。
1億人が生きていくためには、利根川相当の淡水が必要と言われている。日本でも既に外国資本による河川の買収も行われている。大陸の岩盤には世紀規模の経過で地上水が蓄積されている。砂漠にできたハンバーグ用牛肉生産の人口牧場は、埋蔵地下水を使い果たし、周辺地域の環境破壊を残し、資本主義経済の原則に従い廃牧が行われる。
アマゾンの熱帯雨林は、自らの生理活性で空気中の有機物を回収し、副生した水と酸素を空中に放散する。更に自ら放出する微粒子物質を核にして、森林帯の上空に停滞する雲を降雨にして回収し、循環の輪廻を完成しているそうである。大消費国への食糧供給ビジネスのために、数十%が農場に開墾され、降雨のメカニズムが壊されている。漁獲量の急増で海産物の枯渇も囁かれている。今、
カーボンニュートラル
が騒がれているが、毎日の
食糧/淡水
をどのように確保していくかの抜本改善を考えねばならなくなって来ている。数千年前に起こっている遊牧民族と農耕民族の食糧争いは未だに解消していない。諸国には争いごとをしている暇はなくなっている。
【私の研究/技術開発の進行状況】
私の生涯の仕事になりつつある。
ヒートシール
技術/理論の主要技術;
≪界面温度制御≫
(圧着・加熱中のヒートシール面の外側をヒートバーの表面に設置した微細温度センサで、連続でリアルタイム計測)
の実用化ができた。不安な
≪時間間隔調節≫
の常套手段のから、接着面温度を
[±1.0℃]
で、直接的に
フィードバック制御
が出来るようになった。現場の改善実施には、いつも頭のどこかに回分動作の低速化、溶着面温度制御性能が低下する理論/実践の相違の“弁解”を構えていた。
お陰様で難しい高速操作(加熱時間;0.25s)の課題も≪溶着面(接着面)温度応答≫をモニタ/制御が実際できるようになったので、本業の
計測・制御のエキスパート
として、爽やかと安心で安眠ができる日々を過ごせるようになった。
従来の「高精度ヒートシールシミュレータ」に
“一条シール”
と
≪界面温度制御≫
の機能を付加して改造した
『スーパーヒートシール試験機』
を完成した。
この
「新試験機」
には、既存包装機のヒートバーに
≪界面温度センサ≫
を貼り付け装着するだけで、実運転中ヒートシール操作の
On-Line診断
ができる機能を付した。
試験機には、連続運転信号発生器あるので、適用包装材料を使って、回分速さ
(手動~90 shot/min.)の最適運転条件
(・最適加熱溶着面温度、・回分動作数、・必要な圧着圧、・段差部の密封条件、・基準ヒートシール強さ、)
をラボベース検証できる便利モノです。
キットの販売、このキットを利用した
実機のヒートシール性能の診断サービス
を開始。
貴社システムの“不具合”の発生確率が
1/1000~1/10
5
のどの辺にあるかを確認して、安心、爽快、安眠を取得して戴くノウハウを販売しています。
私の活動の集大成として、ここ10年の改善活動を発刊したいと思っています。(世界に鬱積している)
70有余年の従来の課題を凌駕
し、もしかしたら、お世話になった各位への「遺言状」になるかもしれません。
本年も健康維持に努め、元気に頑張って、各位の更なるご指導、ご鞭撻を仰ぎたいと存じます。
2022年1月1日
菱沼技術士事務所
〒212-0054川崎市幸区小倉5-6-21
E-mail:
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Tel. 044-588-7533, FAX. 044-599-8085
■2021年の年頭の所感
と
開発中の新規技術のご案内
元気な近影
お世話になっています。
局地的に生息していたと言われている
新型ウイルス
は人々のグローバルな行動に乗って、分け隔てなく人類全体に“平等” に蔓延
(パンデミック
)して,世界中に大混乱を起こしている。
各国は人々の行動(娯楽;
ホモサピエンスが成し遂げた本性と言われている
)制限を求めている。(基幹とされていた大産業さえ)経済活動の停止状態に陥って、資本主義体制は対応を失っている。
東海道新幹線は数分おきのダイヤで運行されたり、国内線の航空路は 10本/日、主要都市間の国際航空便は10便/日以上運行されている。
24時間以内に世界のどこにでも容易に移動できるようになっている。
今日の人々の行動や環境破壊の急拡大が生態系に変革をもたらしてしまったのか? 人の移動制限の意味することは?
行動制限が真に要求される対応だとすると? デジタル化のテレワークが、手続きや情報交換の代替えになれるのか?
生命体が誕生した太古から生命体とウイルス(バクテリオファージ)は、細胞と対になって共存して、生命体の「突然変異」や「自然淘汰」を図り、今日の「生命体絵図」を作ってきた。
諸国は経済活動の阻害対策とワクチンビジネスを競っている。RNA操作によるワクチンの新しい生産を始め、ウイルスとの直接対決を始めている。遺伝子の組み換え/再組み立てが自由にできるようになった今日、新型ウイルスが人工的操作でできたものでないことを念じている。
この度、
「自然神」
は人類に対してどんな展開を意図しているのだろうか?
自然環境を破壊して、経済活動を優先する人類の我がままに、どんな変革を求めているのだろう。
【私の研究/技術開発の進行状況】
ヒートシール熱接着面に
ピンホール
や
エッジ切れ
ない
「密封」
と
「易開封」
の同時達成は包装界の
永年(100年来)
の課題であります。
昨年は、ピロー袋の
「密封」
と
「易開封」
を同時達成する“
一条シール
”が要求する高精度の
溶着面温度応答
を
直接的制御
する
≪界面温度制御≫
の融合化を図り、
実用機
の市場投入を図った。
“一条シール”
はPCT出願を通して、EU特許により
ドイツ、フランス、イギリス、
そして東南アジアでは
中国、韓国、
タイ(審査中)の個別登録を完了しているが、
アメリカの審査
は、[1947年~1952年代]のUS特許を凌駕し、今日のヒートシール技法の基幹になっていた[
1956年の特許
]が類似であるとの拒絶査定を受けた。足掛け4年、弁理士事務所さんとの協業で、昨年末に認証の査定を戴いた。
[ASTM F88]
が1968年以来要請している「密封」と「易開封」を複合的に達成する
新加熱/圧着方式
として70有余年の従来技術を凌駕して、“
一条シール
”の新機軸の確立ができた。これで“
一条シール
”は主要各国の特許の認証で、
世界標準
の評価を受けることができた。
従来のヒートシール技法では、
接着面温度
の調節は困難とされ、間接的に「
設定温度
」と「
圧着時間
」の二つの要素の
代替え制御
を行っている。この方式は、
オープンループ制御
なので、温度変動をもたらす、多くの「
外乱要素
」が入り込み、材料の要求する高精度≪
±2℃以内
;3σ≫適用が困難であった。従来、ヒートシールの是非は、接着強さの計測(
的確
ではないが)で是非の判断しているから、
現場担当者
は何時も
不安
を抱いている。
接着面の温度を直接的に調節できる
≪界面温度制御≫
は、生産中(On-line)の全製品の
ヒートシール面の外側温度を微細センサで直接計測し
、≪
0.3s~;
100 Shot/min.相当
≫の溶着面(接着面)温度応答を≪
±1℃;
3σ
≫にリアルタイムでシミュレーションする。
≪応答温度≫
がベースの
クローズドループ制御
なので、代表的な外乱要素である
*材料厚さ、*加熱温度のブレ、*圧着時間ブレ、圧着状態
が自動的
(フィードバック制御)
に補正される。
既に、ピロー袋のセンタシール部の「密封」ができる“
一条シール
”機能を組み込んだ
*新インパルシーラ(片面、両面)、*新バンドシーラ、ヒートジョー方式
に展開され、革新機の市販を始めています。
なんとレトルトパウチ仕様のピロー袋のシールができます。
特に
≪4次元圧着機能≫
と金属ベルトを採用した新バンドシーラは、オペレータの介助を最小限にする
≪AI制御≫
を導入し、走行中の金属ベルトの表面温度を
≪±0.3℃以内≫
に制御する性能を発揮して、
究極のヒートシーラ
に進化しています。[写真参照]
“一条シール”型
新バンドシーラの特長
*加熱と圧着の
分離
*“一条シール”用ダイロールを構成
→
(4次元圧着)
*
ステンレスベルト
の採用
(加熱の高速化)
*
ベルトの表面温度
モニタ
(界面温度)
で、
調節温度の自動変更
(AI制御)
の適用
*
(過加熱がないので)
冷却バーを
撤去
≪界面温度制御≫
の適用で、温度管理の苦労が解放されて「
痒い所に手が届く
」ようになって、運転操作は極めて
快適
になっています。
最新の市販機(4種)は何時でもデモできるようになっています。
暇を見つけて戴き、お困り課題(サンプル)をお持ちになって、是非ご来所下さい。メールをお待ちしています。
早い時期に改革知見をまとめた「ヒートシール技術の新教科書」の発刊を目指します。
本年もご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
2021年1月1日
菱沼技術士事務所
〒212-0054川崎市幸区小倉5-6-21
E-mail:
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■2020年の年頭の所感
と
新規技術のご案内
近影:2019年12月
お世話になっています。
日本の政治手法に“
未来志向
”と言うのがある。過去のことは 「
水に流して
」将来のあるべき姿に共に挑戦しようとする発想である。異論もあろうが、日米間では、経済的豊かさを目指し、それに日本人の勤勉と科学力が機能し、戦後の日本の工業経済はアメリカを凌駕するレベルの成果を挙げた。世界の工業経済を牽引し、今日の日本の立場と日本人の生活を豊かにしている
しかし、ポピュリズム(大衆迎合)を利用した政権維持策が各国で多発して、日本の隣国を含め、歴史的な努力を踏みにじる権力・功利主義が世界の外交を混乱させ世界中を(戦争に至りそうな)不安に陥れている。
世界の
情報産業が発達
して、SNS、AIなるものが個人レベルまで浸透してきた。
人々の思索に国家的な支配が進んで、個人の自由が統制される懸念が出始めている。
世界水準のあるべき姿;
Validation
(保障要求)の議論が活発になってきた。
多くの要求が活動として提示されることは結構であるが、
“アナログ議論”
に終始することなく、
Guarantee
(保証技術)の達成努力に精進してもらいたい。この領域の関係者の格段の努力(特に日本の若者にはキーボードからの脱却)を期待している。
本年こそ、良識的な政治が当たり前になる再生を期待したい。
≪私の最近の活動と技術成果≫;
(1)
≪界面温度制御≫
の発明
私の生涯的な命題であり、包装界の永年(40数年来)の期待であるが、(筆者自身も)不可能と思っていた熱接着(ヒートシール)の
接着面温度応答
の
直接的調節
の
≪界面温度制御≫
にとうとう
到達
できました。
接着面温度
の
直接制御
は熱接着を利用する学際の永年の課題であった。
近年、ラボでは、微細センサを溶着面に直接挿入して、その応答を
“MTMS”キット
で計測している。“MTMS”では、ほぼ加熱体の表面温度が溶着面(接着面)に到達する
平衡温度加熱
を適用するので、接着面の正確な加熱が可能である。この結果、ヒートシール技法の理論研究は飛躍的に発展した。しかし、製造現場では
時間生産性
を確保するために≪
0.5-0.8s
≫の圧着時間を必要としているので、高温の
過渡応答加熱
を選択し、
10℃以上
の過加熱
となる
≪時間調節法≫
に頼って、
0.05s
レベルの
無理な調節操作
を期待している。
過加熱
の接着状態は
凝集接着
となり、接着面はモールド状になり接着界面は喪失するので、接着面の剥離は困難となる。
溶融接着層はエッジにはみ出し、
ピンホールの発生の原因
になる。又材料の持つ機能特性は失われるので、剥がれシールの利用ができない。 従って、合理的なラボの研究成果を現場に反映できず、生産機における接着面の
≪到達温度制御≫
が切望されていた。しかし、
≪0.3s~≫
の高速域の溶着面温度応答の間接的な計測は儘にならなかった。筆者は、昨夏、
多層の層間温度応答
の計測中に隣接する層間の温度応答差に着目し、計測とデジタル処理実験で、
≪界面温度計測≫
を見出し、溶着面(接着面)温度応答の的確な
≪2℃以内≫
のシミュレーション法を発見した。
発熱体の表面に
耐熱薄膜
を装着し、被加熱材との接触面温度(界面温度)が
≪0.2s~≫
で再現性のある溶着面(接着面)温度応答データが得られることが分かった。
≪界面温度制御≫
の構成(ヒートジョー方式)と
≪界面温度応答≫
モデルを
図1
に示した。
≪界面温度≫は加熱源から溶着面(接着面)への熱流と1対1の関係であるから、
検出温度
は
・材料の厚さ、・接触状態、・加熱源の温度変動
に自動的に追随する優れた性能を有している。熱接着技術の永年課題をブレークスルーできた。
(2)
“一条シール”
との融合で完璧なヒートシール技法の確立
≪界面温度制御≫
は、既に開発されている
「密封」
と
「易開封」
の複合技術;
“一条シール”
の現場が要求する
高速圧着
(加熱時間;
0.2~0.7s
)と
高精度
(
2~4℃
)の要求を満足しています。
(3) ≪界面温度制御≫の一般的特長
≪界面温度制御≫
は
≪方向性のある熱流系≫
において隣接する2界面の一方の界面温度の計測で、他方の界面温度を直接的計測できる特長を有している。
発熱源が外面、内面を問わない汎用性がある
計測・制御技術
であり、多分野への応用が期待できる。
ヒートシール装置においては、
・ヒートジョー方式(定温発熱体の圧着;ステップ応答)、・インパルシール方式(操作開始で温度上昇が開始;ランプ応答)
にも容易に適用している。
(4) 新型バンドシーラの介添え不要化
回分操作のように圧着・加熱中に構成要素が移動しない場合には
≪界面温度制御≫
の適用は容易である。他方
バンドシーラ
は被加熱材をベルトで挟み固定した加熱体にベルトを
摺動接触
して、伝導加熱を行うので、≪界面温度≫の計測は難しい。
“一条シール”モデル
では、ベルト加熱の直後、速やかに
≪一条突起と弾力体≫
で構成された
ダイロール
で、高圧着の“一条シール”をするので、加熱中の強い圧着を避けて
摺動摩擦は極小化
できる。そこで摩擦抵抗の大きい
金属ベルト
を使い
≪≒0.1mm≫
のギャップ状態で摺動摩擦と熱伝導性を計測したところ、
摩擦力は激減
、
平衡温度
(
CUT;95%
)の熱伝導速さはTeflonベルトに比して、
≪≒3倍≫
になっていて、従来のバンドシーラ欠点を一挙に革新できた。しかし、≪≒0.1mm≫の
ギャップ調整の介添え
が新たな課題になった。≪≒0.1mm≫の
ギャップの自動調心法
を種々検討した結果、加熱体の
宙吊り方式
を考案した。考案はベルトと加熱体の微弱な摩擦抵抗を利用して、宙づりの加熱体が摩擦力で自由運動し、一定の摩擦力で移動でギャップを自動調整させる。この結果、金属ベルトと加熱体のギャップを
≪0.05~0.1mm≫
に自動調心できた。更にこの自動調心機能は、ワークの厚さが数㎜迄でも作動するので、材料の厚さが変化しても加熱体の位置調整をしなくて済む
≪介添え不要化≫
機能も有している。本発明は特許査定され(2019/12)
“一条シール”モデル
の新バンドシーラは
高機能化
を果している。
(5) “一条シール”の全面展開
プラスチック材を利用した包装商品の究極課題は、
「密封」
と
「易開封」
の同時達成である。「密封」と「易開封」の新規なメカニズム解析によって、(2015)に「密封」と「易開封」を複合的に展開した
“一条シール”
が完成している。
“一条シール”では、包装機の
微細突起の集中応力で塑性変形
後に自動で
平面圧着に移行
する。包装材料は表層材の
軟化温度帯
で「易開封」特性が発生するシーラントを適用する。この論理の達成には高速加熱≪
0.2~0.7s
≫接着面の温度制御≪
3~4℃
≫を必要としている。
“一条シール”の
機能性
と≪界面温度制御≫の
新制御技術
の融合
で、プラスチックの熱接着操作は完璧になった。
“一条シール”
の「易開封」は、従来の
ノッチ開封
に依存しないので、開封時の
≪小片の発生≫
が無くなり、プラスチック材の
海洋汚染対策にも直接的な貢献
ができます。
2019年にはヒートシール技法の
基盤の抜本的改善
が多く図れて、
2020年は現場への展開
が期待されている。
本年も日々、老骨に鞭を打ち、ヒートシール技法の革新とビジネスへの反映を
包装材料
と
包装機械メーカ
との協業
で積極的な展開を図ります。
本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願いします。
2020年1月1日
■2019年の年頭の所感
近影:2018年12月
お世話になっています。
日本では、過去の不幸や不具合を
「水に流して」
新たに迎える新しい時間に大きな改革に期待を寄せる
“未来志向”
優先文化がある。
(私も日本人の一人として)戦中の不幸から70数年間、明日の幸せを求めた日々の頑張りで、
“経済的”には豊かな国
を築いてきた。
西暦が世界の共通な時代規範になってもう2000年以上になっている。
権力闘争が原因の相変わらずの内戦の頻発。
しかし、世界の動きと日本の“未来志向”文化との相違が顕著になってきた。一向に平定するどころか世界平和は混沌としてきている。
≪民主主義≒ポピュリズム(大衆迎合)≫を利用した自国主義の政権運営が多国で頻発している。 世界の経済は貿易によって成り立っている。
長い時間を掛けたバランス形成(貿易の平坦化)が崩壊に面して、グローバルの社会体制が危機に瀕している。
≪私の最近の活動と成果≫
;主に
“一条シール”
開発の背景技術の紹介
小生が(人生の)命題として取り組んでいるプラスチック材の熱接着(ヒートシール)技法の改革は、消費者が期待する
「易開封」
と製造者の要求する
「密封」
の同時達成で、その技術開発に精力的取り組んで、順調に推移している。
お陰様で、数々の新規現象の発見ができ、難題の合理的解析ができ
“一条シール”
の発明に辿り着いている。
“一条シール”
を完成させた代表的な背景技術を列挙すると次のようになる。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(1)
溶着面温度測定法:
“MTMS”
を展開し、熱接着の主要なパラメータである
接着面(溶着面)温度を1℃以内に調節できるようになった。この高精度の
加熱条件によって、プラスチック材の詳細な熱接着特性が計測できるよう
になって、関連の諸現象が定量化できるようになった。
(2)
「加熱速さ」
の相違によって
接着強さの変移
が発見された;
【Hishinuma効果】
1) 加熱温度と発現接着力が一元的であるとした
従来の常識
を覆した。
2) 同一材料でも厚さが異なると同一の接着強さにならない。
3) カバー材(Teflon)の厚さが変われば、接着強さは変移する。
4)
計測環境の相違による熱接着強さのバラツキ原因を特定した。
5) (CPPでは)136-138℃加熱で、加熱速さが
≪300~1000℃/s≫
の領域で
連続的な接着現象が診られた。
(従来は数十s(1~3℃/s)と言われて
いた再結晶時間の新規な知見が同定できた)
6) 高温(Tm付近以上)加熱すると余熱で2回目加熱が成功できない発見。
(製袋品の課題)
(3)
低接着帯(0.1-0.3N/15㎜)でも「密封」が可能である発見。
(“強い接着”の不要)
(4)
プラスチック材の
軟化温度帯の塑性変形操作
で「密封」が可能であることが
分った。
1)表層材の軟化温度帯に剥がれシールの発現するシーラントの選択方法の
発明。
(シーラントの動作温度の高温化)
(5)
従来の接着強さは
(凝集接着状態の)材料の伸び又は破断強さを
計測して
いた。
(6)
「密封」と「易開封」は
個別のメカニズム
で成り立っていることを確認
。
(7)
材料と接触する加熱面(加熱体表面温度)の温度モニタで溶着面温度応答を
シミュレーションする方法を考案して、実用検証
(2℃以内のバラツキ)
を
済ませた。
(8)
「過渡温度加熱」から
「平衡温度加熱」
への変更。
1)
CUT
(95%)の推奨、[CUT;Come Up Time]
2) (自己制御の)適正(範囲)加熱が可能になった。
3) 過加熱が回避でき、トラブル時の材料の溶融、焦げ付きが無くせる。
そのためにテフロン材の装着が不要になった。
4) 加熱応答を減速していたテフロン材の未装着で、「加熱速さ」が高速化
された。
5)過渡加熱のための高精度な回分動作の時間制御が不要になった。
6)熱接着特性のラボの計測条件に近似した生産運転条件の設定が可能に
なった。
(9)
「探傷液法」の
定量性検証
を行い、熱接着に関係する微小部位の接着状態
をフイルムの
ガスバリア性に隣接する性能
を把握できるようになった。
(10) 新規の発明等に見合う
保障要求
(
Validation
)
の構築と、その
保証技術
(
Guarantee
)を、3つのヒートシール技法;
①ヒートバー、②バンド
シーラ、③インパルスシーラ方式
への適用を完成できた。
(11) 材料面では、包装市場を席捲していて、「密封」と「易開封」が最も難しい
2軸延伸のポリプロピレン(OPPフイルム)材のピロー包装
に対処できるラミ材の新
設計法を発明し、革新性を発揮している。
(12) “一条シール”の究極性は、
①レトルト包装における≪FHSS≫展開、
②医療用不織布の熱接着≪
Validation
≫の完全達成
で、その機能性が
確認できた。
(13) ヒートシール面の摘み開封では、幾何学的な理由で、充填率の上限の制約が
ある。
薄い形態の場合、開口寸法の1/2以上の空寸が必要。
現状はプラスチック材包装品の開封はノッチ開封に依存していた。
ノッチ開封
では、ノッチの設置個所はヒートシール面である。 幾何学的制約は、開封が
直角方向に強制的に移行してしまう。
又、開封時の
≪小片の発生≫
があり、
プラスチック材の環境問題
にも直接的な
欠陥を有している。
“一条シール”の「易開封」は熱接着面の剥離を利用するので、熱接着面を
破損することなく開封できるので、中身に応力が掛からない
≪平面開封≫
(観音開き)
が適用できる特長も有していて、ノッチ開封の欠陥を補う
ことができる。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
本年も日々、老骨に鞭を打ち、ヒートシール技法の革新とビジネスへの反映を
包装材料と包装機械メーカとの協業
で積極的な展開を図ります。
本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願いします。
2019年1月1日
■2018年の年頭の所感
近影:2017年12月
お世話になっています。
アメリカファーストを標榜する新アメリカ大統領の就任で始まり、豊かなリベラルな社会が世界各地で展開するとかと思いきや、結局のところ武力を背景にした利己主義的政治が常套化している。バランスを失ったポピュリズムの暴力的展開。人々が信じたり、心の拠り所であった「信仰」や「思想」、「哲学」の論理展開も無力化してきた。
「お金」と「物欲」が「幸せ感」に成りつつある。「平和」、「博愛」の世界共通語の存在ももみ消されている。スポーツ交流と努力した選手たちの頑張りが人々の融和の潤滑油になっている。
≪私の最近の活動と成果≫
旧年も計測・制御工学専攻者として、包装の基幹技法であるヒートシールを見つめてきた。 剥がれシールの端緒とした研究活動は、永年の包装界の課題である熱接着面を利用した
「密封」
と
「易開封」
を複合的に達成できる革新技術の
“一条シール”
に収斂できている。
この研究と技術開発の経緯を整頓、従来常識の欠陥を整理して、ヒートシール技法の
“事実上の標準”
≪
De Facto Standard:D.F.S.
≫を≪3群29項目≫
に構築することができ、ヒートシール技法の展開で苦労されている方々に福音をもたらすことができたと自負している。
≪
D.F.S.
≫
の展開で
“4次元圧着機能”
を有した
“一条シール”
用のバンドシーラの開発に成功し、JAPAN PACK 2017で実機デモを果たすことが出来、
“一条シール”
のビジネス展開を開始できた。更に、最高難度のヒートシール技術が要求されている
レトルト包装の「密封化技術」
の改革も達成できた。
携帯型の
“MTMS”キット(M)
を適用し、製造現場のヒートシール機の稼働性能の
“見える化”
の
診断サービス
は、現場のヒートシール性評価と不具合点の発見に大きな貢献をしている。
付図のような合理的な
≪技術展開の構成≫
を提案している。今、世界の包装界では
包装品質保障
の期待が高まり≪
ヒートシールの
Validation
≫ の確立の期待がある。
≪技術展開の構成≫
にこれを当てはめた。
「密封」
と
「易開封」
を実践した
“一条シール”
の開発過程は
≪
De Facto Standard:D.F.S
.≫
の発見そのものであった
。「合理的な論理構築の技術への展開」
≪
Validation → Guarantee
≫モデルに、ヒートシール技法における
≪
De Facto Standard:D.F.S.
≫
を参考に貼り付け、ヒートシール技法の合理的な展開を提案する。
本年も日々、健康にケアーし、老骨に鞭を打ち、ヒートシール技法の革新とビジネス展開に精進したいと思っています。 本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願いします。
2018年1月1日
■2017年 年頭の所感
元気な近影:(2016・12)
お世話になっています。
昨年はイギリスのEU離脱、アメリカの大統領選挙、又日本では都知事選があった。多くの人達は、Mass mediaを信じて、総スカンを食った。Mediaの中立性が低下したのか? 民意の核分裂やポピュリズムが権威、権力を本当に凌駕し始めたのか? テロの頻発は人々の心の拠り所である「信仰」を台無しにしている。マクロ経済に頼る政権は、税収の増加を目指してデフレ脱却を図っている。
若き頃に民主主義は「義務」と「権利」のバランスであると学んだ。「古典的な認識」に頼ってきた私には、違和感が多い。 娯楽やスポーツが人々の憂鬱を癒している?
≪私の最近の活動と成果≫
計測・制御工学者として包装の基幹技法であるヒートシールを見つめて30年以上になっ た。その革新的な成果(技術)として、ヒートシール面を利用した
「密封」
と
「易開封」
を複合的に達成できる
“一条シール”
を一昨年達成した。この≪PCT出願≫が経済産業省の中小企業支援事業の助成特許に採択され、EU,米国,韓国,中国そしてタイ国に出願を果たした。
永年の研究と技術開発の集大成の世界展開の礎を構築できた。
簡単に持ち運べる
≪廉価≫な
“MTMS”キット・モバイル
マイクロエレクトロニクスの益々の発展で、溶着面温度応答の高価な測定システムに代わって、
廉価な
と
“MTMS”キット・モバイル
の開発が完了できた。溶着面温度測定法:
“MTMS”
を誰もが包装現場に容易に利用できるようになって、ヒートシールの難問が容易に対処(解決)できるようになった。 従来は発熱体の温度調節値に頼っていたが、ヒートシール技法を実際に展開するには、材料と接触する
加熱体の表面温度
をパラメータにして、
4℃以内
の溶着面(接着面)温度のシミュレーションが不可欠である。
“MTMS”キット(M)
の適用でこの確認(と制御)が誰にでもできるようになった。
今、アメリカで課題になっている
Permanent Seal
(ヒートシール) の
Validation
に対する引き合いであって、昨年の11月の
PACKEXPO2016
に突然のお呼びが掛って
“MTMS”キット(M)
を持参して、Chicagoに出向いた。関係各社のブースを回って溶着面温度応答計測のデモを行った。
ASTM F88
(1968年制定)には「ヒートシール強さ」と「易開封」の両立、
F2029
(2000年制定)は加熱体表面温度を加熱温度の適用を推奨していて、その期待は
“MTMS”
そのものの実践要求であった。 2001年に取得したアメリカ特許の実践展開である。その延長線にはヒートシール強さと「易開封」の両立の
“一条シール”
の期待がある。
“MTMS”
の
ASTM
への反映によるヒートシール技法の合理化の期待もある。
本年は
“MTMS”
と
“一条シール”
の爆発的実践がアメリカで起こりそうである。
健康を維持して、老骨に鞭を打ち、アメリカに日参するビジネスチャンスがやってきそうです。 本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願いします。
2017年1月1日
■2016年 年頭の所感
お世話になっています。
産業革命以来の大量のエネルギー消費が地球温暖化の要因となっている。又、各国の政治は経済至上主義の支配によって破綻を招いている。
ディーゼルエンジンの優位性の期待も排気ガス対策の偽装で怪しくなった。 過って日本の企業界を震撼させた証券会社、光学機器メーカーの失態や「安全神話」の偽りによって、電力業界の崩壊。にもかかわらず日本を代表していた建設会社はデータ偽装を繰り返し、家電品メーカーは日本人の開発した優秀な技術を諸外国に叩き売りをしたりしている。
数人の経営陣の自己欺瞞も過去の他社事態の反省も生かされず繰り返して、国民の信頼を失っている。
科学と技術の蔑ろは許しがたい。
社会の混乱は経済至上主義の儲けの虚構作りが世界的な問題の原因になっているのは情けないし憤懣至極である。
経済至上主義は同時に貧困と不平等を生み、哲学的な救いであった「イデオロギー」、「宗教主義」にまで及び、全世界レベルでの社会混乱の要因になっている。
最近、集団生活の営みが農耕や牧畜によって成り立ってきている人類文化の変遷の中で、生活の糧を「狩猟」と「採集」で1万数千年も続いた日本の『縄文文化』の知恵が再評価されている。ある学者は、今日も常態的に行われている「焼き畑農業」や広大な密林の「開墾」で自然の浄化作用を幻滅させている「農耕活動」は最大の自然破壊であるとしている。メソポタミア文明は灌漑農耕で土地の塩分濃度の上昇で継続を失い崩壊したとされている。
四面を海に囲まれ、陸地で国境が接していない日本人には、隣国との複雑な関係を実感できない。「性善説」を信じる日本人は、何か“不具合”が起これば反省して、同じようなことを起こさないという期待があって、「次は」、「来年は」きっと良くなると信じている。
しかし、今日の状況は70数年この世界に生きてきた小生は、「ちょっと違ってきたのかな?」「性善説でイイのかな?」と感じる日々である。
≪私の最近の活動と成果≫
プラスチック材を利用し、
ヒートシールされた包装製品
は老若男女を問わず
[10ケ/日・人]
以上を消費していて、今や人々の生活にとって不可欠です。
しかし、消費者はその
「難開封性」
に日々、イライラしている。
しかし、
製品の製造者
は
「密封」
の達成が品質保証には不可欠です。
「密封」
と
「易開封」
の課題はヒートシール技法の世界的な規範である≪ASTM F88-;1968年制定≫が要請して以来、既に
数十年の歴史事
になっています。
私は前職の時に出会ったヒートシールに関係する大クレームの対策をきっかけに、この課題の改善に生涯を掛けて取り組んでいます。 昨年、私の研究と技術開発の集大成として、世界に先駆けて、
「密封」
と
「易開封」
を同時に達成できる革命的なヒートシール技法(
“一条シール”
)の提示ができました。取得済特許の公開(国際特許;PCT出願を含む)を全世界に向けて発信しました。
本年は多くの協業者の展開を得て、皆さんの手許に
“一条シール”
製品が届き、包装の機能評価と再確認をして戴けたらと念じています。
本年は
“一条シール”
に適合する包装材料の開発(特許出願済)にも精力を注ぎ、新発明の充実化に取り組みたいと存じます。 なお一層、老骨に鞭を入れて頑張ります。
本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願いします。
2016年1月1日
■2015年 年頭の所感
お世話になっています。
昨年は日本社会に誇らしい青色LEDの開発にノーベル科学賞の授賞があった。しかし、“STAP”は痛恨な経過になっている。 他方、数千年前に端を発して、今日の国際社会の常識では相いれない宗派間の争いが未だに収斂しない。戦後70年の日本の平和主義が通用しない苛立ちさがある。
日韓、日中関係は歴史認識の相違と称する理由から適格な国交が滞っている。
戦後の数十年の日本の膨大なODA支援はどうなっているのか? この背景には、民族主義(ナショナリズム)の煽り立て、ポピュリズム(大衆迎合)もどきを利用した政権維持を狙う強い臭いが感じられる。一国の不安定な政治、経済運営が為替相場の大変動等にリンクして各国の貿易経済を通して人々の日々の生活に影響を及ぼすように、テンポの速い市場経済主義のグローバルな大波が毎日のように押し寄せて、決して安泰な1年ではなかった。更に日本のみならず各国に自然災害が多発してきている。果たして本年がどのように展開するのか見通しの不安が既に先行し始めている。
≪“STAP”の顛末に思うこと≫
昨年の1月に日本の超一流の研究機関から“STAP”の発表があった。現象論が先行して、遺伝子レベルの発現メカニズムの確認がないままの論文に世界各国からノーベル賞候補の出現と大歓迎されたり、追試での再現できない異論が噴出した。 論文に多数のコピペがあって信頼性を失った。当該科学者達の倫理の問題か? 許しがたい欺瞞か?
調査委員会は故意のES細胞の混入を報告した。 混入行為のような茶番劇は直ぐに解明され、「恥の上塗り」になるだけである。もし事実としたらこの行為は軽蔑に値する。
ES細胞は受精卵から採取される。成長の始まった生体には存在しないとされている。 O氏が当初の発表で「誕生1週間以内のマウスが適当」と言っていたのが気になっている。 O氏の知見が混入ではなく混在であって、従来の常識を覆す、残存する未分化の幹細胞の発見であって欲しいと思っている。(この発見の有用性は分からないが)
ヒートシールの世界では半世紀以上の長い間、再現性の高いヒートシール強さのデータ採取が困難で、加熱封緘の信頼性保証の妨げになっている。そのために機能性の豊富な剥がれシールを避けて、凝集接着に偏重する根拠になっている。筆者は、「加熱温度」、「加熱時間」と「圧着圧」の高精度化を図る試験装置の開発(溶着面温度測定法)に20数年の心血を注いでいる。 ヒートシール技法のターゲットは、容器/袋包装における
『易開封(イージーオープン)』
と
『密封』
の両立達成である。汎用の易開封包装材料に出会った2005年頃、易開封現象の解明ができたと思った。しかし、従来の「ヒートシールの3要素」の推奨に従って、「低速」(厚いテフロンシートをカバーに使用)、「高圧着」を精密に適用しても
定量性のある再現
に難があった。2~3年間のコンサルティングの失敗を含め苦悶の期間があった。2010年頃、破れかぶれで(焦げ付き防止のテフロンのカバー材を外して)加熱体に材料を直接当ててシールしたところ見事な再現を得た。カバー材の厚さを変えて順次シールしてみると失敗していた原因(速さ領域)が明確に把握できた。 過去の実験ノートを見てもカバー材の適用条件が明快でなかった。(意識していない要件であるから記載がないのも無理はない)
この知見が
「加熱速さ」のヒートシール強さの発現変移
【Hishinuma効果】
の発見の端緒になった。【Hishinuma効果】の計測には“
MTMS
”キットの使用が不可欠である。他部署の追試確認が得られなかったので、約1年間かけて数種の材料の特性を繰り返し計測して、現象の再現を確認した。 現象に気が付いてから辛抱の数年後の2011年に長年のヒートシールの課題原因の発表に漕ぎ着けた。
“STAP”発見のO氏や共同研究者がバラツキ要因を実験で確認して「石橋を叩いて渡る」努力があったなら・・・と老婆心ながら思う。
≪私の最近の活動と成果≫
「加熱速さ」
が熱接着性能に関係する現象:
【
Hishinuma効果
】
を参照するとヒートシールの多くの難題が理論的に解析できるようになった。ヒートシール強さの発現に関係する事項は
17群65項目
もある。そして
60~70%
の項目が「加熱速さ」の影響を受けている。
タイ包装協会(TPA)はヒートシールの課題に対する関心が非常に高い。既に数回のワークショップを開催している。昨年の5月にKU、UTCCの協力、TPA とタイ国商務省の協賛(スポンサー)で行われたワークショップ(有償)に40社に近い参加があった。初日が講義と質疑応答。2日目、各参加者が抱えている問題サンプルを“
MTMS
”キットを使って、
「加熱速さ」の影響
を調べた。そして分厚いカバー材(Teflon)の適用が“不具合”の悪循環を起こしていることを実体験した。ある材料メーカーは設計通りの性能が出なくて困っていたが(中国製のヒートシール試験機と著名な日本のメーカー作った操作マニュアル)、高速加熱によって、材料中の殆ど構成分子が接着に関与するようになるから、予定通りの包装材料が開発できたと感動していた。 ワークショップに参加した企業には日本からの進出企業もあった。(しかし製造は現場任せ)
多分【Hishinuma効果】を制御した製袋材料が逆輸入されるようになるであろう。
“MTMS” Laboratory Thailand
を基軸にして、タイの包装材料メーカーの国際的なアドバンテージを持たせることができたらと思っている。
市場に出回っている袋物包装の大半は背ビレのあるピロー袋である。この背びれと上下のシール交差部にできる段差の密封が定常的に果たされていないものが殆どである。
この“不具合”は長年軽視されてきた。しかし、毒物混入の事件が多発して、シールの密封性保証の見直しが包装業界に迫られている。
微量の漏れの新規の計測法を自己開発した実験調査で、この段差部の漏れは適用している包装材料のバリア性の数百倍以上の量であることが分り、湿気や酸化劣化が無視できない状態が確認でき、改善の必要性を痛感している。消費者にとっては更に袋物の難開封性が長年のイライラで、包装のバリアフリーの筆頭に挙げられている。
期待される包装技術は『易開封(イージーオープン)』と『密封』の両立達成である。
本年は、既に完成している
剥がれシール帯でも密封
が達成できる
《一条シール®》
と胴摘み開封の
原理的欠陥を補完
する
『新易開封法』
を複合した新技術の市場導入を包装材料と包装機械メーカーとの協業で、多くの包装商品に易開封(イージーオープン)と密封技術を反映したい。
先ずスナック商品の製造時の
パリパリ感
を乾燥材なしで流通できるようにし、かつ易開封をセットにして、消費者に幸せを届けたい。そして、東南アジアを拠点に積極的な海外展開も図り、新技術の5年、10年後の世界標準化を目指したい。
本年は更に迫ってくる年波にめげずこの課題に猛進し(長生きの糧にして)、各位の期待に応えるように頑張りたいと新たな気持ちです。
本年もご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。
2015年1月1日
■2014年 年頭の所感
お世話になっています。
日本人の今日の価値観は縄文、弥生時代に始まる古代/中世の東アジアの古典文明が人の移動と共にやってきた。中世においては奈良・平安文明が開花した。シルクロードの交易によって近代文明が重厚になっている。儒教・仏教の伝来と
日本的変遷
は今日の日本人の価値観に深く潜在している。東進した文明は太平洋が障壁になって日本がターミナルになった。
日本の文明のルーツはこの
「トドの詰り文明」
と私は思っている。
徳川300年の鎖国/封建政治は更なる独特の発達を醸し出した。他方、数百年の遅れはあるものの、
古代文明の西進は信仰/宗教の変遷や対立等が原動力となってヨーロッパを経由してアメリカの東海岸に到達し、「トドの詰りアメリカ文明」を構築した。近代の船舶技術の発達によって、日本に開国を迫る西進文明が徳川時代の終焉をもたらしている。「トドの詰り日本文明」の最大のリアクションは人口増加による物資の補給と覇権を求めて東南アジア諸国に逆進した。東-西に進行した「トドの詰り文明」は覇権の雌雄を求めて太平洋戦争で激突している。
敗戦した日本は(工業)経済大国に猛烈な邁進をした。
今日の日本は(高物価)経済活動を介して諸国を支配している。
今日的な課題となっているTPPや安全保障の問題は東進、西進トドの詰まり文明の激突の流れと理解すると面白い。
最近の近隣国では具体的な政策を提示する前にポピュリズム(大衆迎合)を楯に日本の文明の成り立ち批判を政権維持のツールに使っているのではないのか?
30~40数年間、我々も苦しい日々の中、ODA等で多大な経済的/技術的支援をしてきたがそれは何であったのか? 適格に評価されていない今日は決して愉快なものではない。
今日の日本の政権が良くないのか形式的経済至上主義になってしまった我々の国民意識が問題なのか?
≪私の最近の活動と成果≫
私の生涯の課題になっているプラスチック包装材料を熱接着するヒートシールの研究とそれに伴う技術開発はそろそろ終盤に辿り着けそうです。
ヒートシールの基幹は適正な加熱の実施です。既に溶着面温度測定法:
“MTMS”
の開発と
「加熱速さ」
が支配する現象:
【Hishinuma効果】
の新発見でこの課題はクリアしてきました。
しかし消費者の期待は、ユニバーサルデザインで優先的に期待されている
「易開封」
です。
又、製造者は同時に
密封性
の保証できる製造技術の
の獲得です。
「開封性のメカニズム解析」と「ヒートシール技法」をリンクした基幹研究の
「袋等の軟包装の易開封方法」、「カップ等の固形包装の易開封と液跳ね防御」
の技術を開発し、双方とも日本特許の認定を昨年戴き完成に至りました。
今までに開発した理論と技術で従来の関連技法を改めて再評価してみると、
従来技術では完璧な
「密封」
が困難であることや材料の持つ基本性能を十分活用できていないことも分かりました。
自分が提案し続けた「論理展開」が最終的でなかったことを自覚しています。
本年は寄る年波にめげずこの課題群に猛進し、年内に革新技術を完成して、各位の期待に応えるように頑張りたいと新たな気持ちです。 本年もご指導、ご鞭撻をお願いします。
2014年1月1日
■2013年を迎えた所感
お世話になっております。
昨年は欧州の経済不安に伴う消費の低迷と為替の円高が続いて、貿易(輸出)が主体の日本、中国等の工業経済に大きな打撃があった。又、日本に関係のある国々のアメリカ、ロシア、中国、韓国の首長選挙が行われた。日本に留まらず選挙向けのポピュリズム的(大衆迎合的)な政治活動が目立ち、それぞれの国内の軋轢に留まらず歴史的な領土問題で外交摩擦にまで発展して、関係各国間の貿易経済も不安定になっている。
東日本大震災の復興は準備された予算がお役所的な年度会計の呪縛で1年単位でないと進まない苛立ちがある。
福島原発の暴走原因究明は肝心の“Fail Safe”の冷却系確保の欠陥がどうして起こったのかの工学的検証が進まず、社会科学論に終始していて核心に迫っていない。
社会民主主義又は民主社会主義を標榜した政権は、国民の期待を齟齬にし、ポピュリズムに頼って、軸がぶれる行政を繰り返し、内部崩壊を起こし、昨年末の衆議院選挙では全国的な国民の批判にさらされ終焉の憂き目となった。
蔑ろになっている≪工業力 ← 技術力 ← 科学力≫の再構築;特に教育体制の革新による科学力の充実に政治の力が真に発揮される年になってもらいたいものである。
≪私の最近の活動と成果≫
私の生涯の仕事となっているヒートシールの研究と技術開発において、一昨年に発表した
≪加熱速さがヒートシール強さの発現を支配している≫
【Hishinuma効果】の研究は順調に進行している。 ヒートシールが関与するプラスチックを利用した包装は今や人々の日常生活に不可欠となっている。 しかし半世紀の歴史があるこの技法も技術的に不明確な課題があって、適切な包装設計に未だ難を残している。 【Hishinuma効果】の発見は
「加熱速さ」;(到達温度/到達時間)がヒートシール強さの発現に関与する3次元現象であることが分かった。
この知見はヒートシール強さは加熱温度(静的)との2次元の関係として来た従来の常識を覆した。
従来の“常識”
は
『加熱の不均一の補完』
であったことが分かった。
ヒートシールにおける
「温度」、「時間」の合理的な取り扱い
を学際に大いに反映のできる年にしたいと考えている。
昨年末には過労の付けか(?) 持病の腰痛を再発し歩行不能になり、多く方々に迷惑をお掛けした。 「健全な肉体に健全な思考が宿る」ことを実感しています。
各位のご指導,ご鞭撻を戴き,本年も評価の戴ける1年になりますよう老骨を大事にしながら鞭を打って生きたいと念じております。 尚一層のご支援をお願い致します。
2013年1月1日
■2012年 年頭所感
お世話になっております。
昨年、東日本を襲った大震災は未曾有の被害をもたらしている。 連動して起こった福島第1原発事故は“不幸中の不幸”である。 事故は半世紀におよぶ政権、行政の国家関係者が自ら構築してきた“安全神話”の呪縛に自らが雁字搦めになって、自己矛盾を起こしてしまった結果である。不具合の指摘は“国賊”と言われるような世論構築によって、国民を巻き込んだ人災と私は判断している。「社会科学論」が強引に支配して、科学者の従属的な怠慢もあって半世紀に渉る「自然科学論」の弱体展開のアンバランスが鬱積した結論と言える。これと重なる期間、日本の工業経済の発展に一企業人として一生懸命に加担してきた私の行動の残念と愁傷は幾何である。他方、欧州を中心に、植民地時代の風習から抜け切れず、度を過ぎた「娯楽」と「浪費」の大衆迎合的な政権運営に奔走し、大借金を隠蔽して修復不能となり、太古の歴史ある国家の崩壊を招いている。福島原発の事故発生と重なる体制シナリオが垣間見られる。
先進国の世界経済の不安は円高となって日本の貿易経済に重くのしかかってきている。為替相場に頼って、日本の当面の経済バランスは輸入に頼らざるを得ない。生産拠点の海外への移転増大は、一企業の採算は一時的には維持できても、国内の雇用はどんどん失われて失業者の増大になって、日本の人件費が開発途上国並みになるまで続くことになるだろう。人は衣食住の資材を産業から得なければならない。この大原則を忘れずに、私たちは質素を“よし”とする生活の再構築に率先して勤しむ必要が高まっている。
私の生涯の仕事となっている『ヒートシールの研究と技術開発』には大きな進展が得られている。
1番目は
包装商品の消費者レベルの高い要求;「易開封性」を≪開封応力のメカニズムの解析≫による改善方策がほぼ実施レベル到達できました。
2番目に
ヒートシール操作において、0.1℃レベルの高精度の加熱、10msレベルの高速応答の追及の結果、≪加熱速さがヒートシール強さの発現を支配している≫の未知のパラメータの半世紀来の「大発見!」(
【Hishinuma効果】と命名
)を授かりました。 この成果はヒートシールの「剥がれシール」の有機的な活用を更に促し、プラスチックを利用している包装界に大きな変革に貢献できるものと思っています。 「健全な肉体に健全な思考が宿る」ことを日々実感しています。
本年も各位のご指導,ご鞭撻を仰ぎ各位に評価戴ける1年になりますよう更に老骨に鞭を打って頑張ります。各位の一層のご支援をお願い致します。
2012年1月1日 菱沼技術士事務所 代表
■2011年を迎えた所感
お世話になっております。本年も相変わらぬご指導をお願いします。
日本の経済と幸せは、ほとんどの原料や資源を更に最近では労働力も諸外国から輸入して、付加価値を付けた製品の輸出によって成り立ってきている。
戦後の65年、頑張った日本の工業貿易は多くの国々の経済と近代化に貢献したでありましょう。今日、近代文明を少しだけ享受できるようになった原材料の供給国は有限な地下資源の限界も知るようになってきた。そして過去を見直し始め、割の合わなかった評価が始まっている。世界の人口は増加の一途をたどり、地球の供給できる自然産物、淡水の利権争いが激化している。領土問題、地下資源の輸出規制は決して刹那的な問題ではなく各国民の “生き残り戦争”になっている。自動車、電子機器等のハイテク製品等の高付加価値製品の輸出によって日本の経済は飛躍的に発展し日本人の所得(給料)は世界一になっている。しかし見過ごしていることは高物価も同時に輸出した。物価が日本より低い国々で自動車の価格は日本より高いところが多く、貧富の差を実感させる社会になっている。日本は最高級の品質水準を世界に提示した。
これは同時に2級、3級の定義も明確にした。今日開発途上国を含めアメリカでさえも実質的な2級、3級品の採用が始まっている。品質の定義が共有化されてきて、嘗ては尊敬の念で迎えられた日本の技術も色あせ始めて、日本の評価が低迷する要因になっている。人心を修めていた宗教、思想、哲学の効用は無力化、民族主義と国家主義の分断化が進んでいる。核を中心にした「暴力装置」の支配を否めない。この世界的な搖動は一朝一夕には解決できない状況になっている。物が豊富に手に入るようになれば自然に平和が訪れてくると思っていた日本人は今びっくりしている。
共通のカテゴリーである科学/技術の着実な繁栄が期待されていよう。
私の生涯をかけた仕事となってきた熱接着(ヒートシール)の研究/技術開発もお陰様で佳境に入ってきました。
その1番目の目標は研究/技術開発の成果を世界標準に発展させ各国に合理的な技法を普及させることです。昨年は韓国、タイ、中国での学際を通した普及活動とアメリカ、韓国、タイの企業に直接的なコンサルティングができました。
2番目は研究のカテゴリーを利用者(消費者)の視点で社会に普及することであります。昨年は消費者が包装製品を扱う開封操作を力学的に解析し、ヒートシール機能との融合に努力しました。又、ヒートシールの数十年来の究極の課題である「開封性」と「密封性」を一つの論理体系で議論できる成果を得ることができました。本年は各企業との協業活動で商品への反映を通して消費者レベルにお届けできればと思っております。「健全な肉体に健全な思考が宿る」ことを実感しています。各位のご指導、ご鞭撻を戴き、この世に私が存在していたことを各位に好評して戴ける1年になりますよう更に老骨に鞭を打って生きたいと念じております。各位の一層のご支援をお願いします。
2011年1月1日 菱沼技術士事務所 代表
■2010年を迎えた所感
お世話になっております。
資本主義経済下では大量の電力や物消費が先進国の“勲章”であった。人間が成す大量のカーボンの消費で地球温暖化が進んでいると言われている。にも関らず少しでも減らして欲しい議論は諸国間で食い違いを見せている。先進国が過去に貪ってきた業が途上国の反発を招いていて次世代への負の遺産に歯止めが掛っていない。
日本では明治維新以来の“知的革命”(私の命名)で政権交代が行われた。しかし、客観性を失ったマスコミは派閥争い的な論評を繰り返し、未だに旧政権時代との比較論で日本の将来を論じようとしていない。
明治以来の官僚的政治と言われている日本の政界の最大の弱点は「社会科学論」が幅を効かして、人間関係の“ネゴ”(エゴ)を優先していたところに問題があったと私は思っている。新政権の主要人物が理工系の造詣に深い人達である。 自然の論理/摂理を尊重した「自然科学論」的な政治が人々にどんな幸せもたらすかに注目したい。
待望の「ヒートシールの基礎と実際」(幸書房刊)の英語版; [
HEAT SEALING TECHNOLOGY and ENGINEERING for PACKAGING
;DEStech,U.S.A.] が昨年の1月に発刊でき、世界中のどこでも手に入るようになりました。
ヒートシール技法の改革と新論理(“
MTMS
”)の世界標準への具体的な足掛かりが構築できました。ヒートシール(熱接着)の評価は[世界的に]接着の
強さ
(N=Kg・?)で行われています。しかし消費者の期待は
「開け易さ」
と
「密封性」
の保証です。これは
強さ
ではなく
仕事
(J=N・m)の議論です。こんな簡単な基本原理の扱いの間違いが常態化していて、消費者とメーカーの意識の隔たりを作って、
開け難い製品
が何十年も横行し、消費者の不信感を招いています。 抜本的な改善をなおざりにして、材料を厚くしたり、理不尽なヒートシール・フィンの幅を広くする材料の無駄使い(20%位)が平常化しています。この世界的な矛盾状態は私にとって苛立ちの日々であり、それが研究のモチベーションでもありました。
研究と対応技術の開発努力で接着面の“
剥離エネルギー
”(J・m=N・㎡)論を見出し、今迄の理不尽を明快に実証できるようになりました。
夏頃には、2008~2010年の2年間、業界誌(「食品包装」)に連載し戴いた「これで安心!ヒートシールの改善策」を主体にして、新たに研究/開発した事項を付加した出版[幸書房]をします。併せて英語版を出版して諸国の関係者にも新情報を提供します。 本年も海外での教鞭活動が増えそうです。
本年も技術士活動を天命として取り組んで生きたいと思っています。
本年も各位の益々のご清栄を祈念申し上げます。
本年も更なるご指導、ご鞭撻をお願い致します。
2010年1月1日
■2009年を迎えた所感
お世話になっております。
今日の世界には実態経済の100~200倍のお金が動いていると言われている。 経済が円滑に動くためには何倍かの余裕が必要であることは否定するものではない。
しかし今日の金融界の動静はマネーゲーム以外の何者でもない。 コンピュータ上で動く数字が世の中を支配することになり、とてつもない額のお金を動かすためには“増収/増益”とインフレを伴う虚構経済が必要となる。 製造者は競ってモデルチェンジをしたり、機能を変化させて、製品の寿命を無視して買い替えを促す浪費方策を“豊かさの実現”と煽る社会を作ってきた。
敬虔な労働力はこの道具として使われ、経済変動や生産調整の機能になっている。
“金融経済”がおかしくなって、保有株の値段が下がり、各社の決算は軒並み赤字になっても、物不足で日常生活に困ることが起らないのは何故だろうか?
金融経済の破綻で、虚構のモノ造りが激減して、どんな政策よりもCO
2
の発生が急激に減少することになった。 これは“異常”ではなく“本来の世の中”が始まったと思う幸せ感を評価した方が健全と思える。
自然科学の世界に拠点を置いている我々はどう評価して、何をなすべきか?
私の生涯を掛けて取り組んでいるヒートシールの研究とその技術開発もお陰様で着実に成果を上げることができている。
昨年はこの研究に日本包装学会賞を戴き大いなる励みになった。 この論理と技術(溶着面温度をパラメータにした剥がれシールの活用)を世界標準に仕上げていきたい。 レトルト製品と注射剤を頂点とする「食と医療」の安全、日常生活に不可欠となっている諸製品のプラスチックのヒートシール包装に反映し、材料の節減と廉価化を通して、世界中の人達が包装技法を等しく利用できるような私の最終目標に早く向かって行きたい。
今年も老骨に鞭を入れつつ“掛替えのない生き様”の精進を続け社会のお役に立っていきたいと思っている。 手間取っていた私の著書:「ヒートシールの基礎と実際」(幸書房刊)の英語版も新年早々に発刊の運びとなった。新しいヒートシール技法の諸外国への普及の有効な糧として機能して欲しいと念じている。 そして諸国への積極的な訪問活動を図っていきたい。
各位の益々のご清栄を祈念申し上げると共に、本年も更なるご指導、ご鞭撻をお願い致したい。
2009年1月1日
日本包装学会
「学会賞」
授賞のごあいさつ
お世話になっております。
私の「ヒートシールの研究」に対して平成19年度日本包装学会「学会賞」が7月4日に神戸大学百年記念館で開催された日本包装学会の総会にて授賞する光栄に授かった。
およそ10年“不具合”の課題と関連サンプルのご提供戴きご指導、ご鞭撻戴いた関係各社(各位)とご支援いただいた各位ご報告と御礼を申し上げる。
この研究は1980年の初頭に始まった。 この時期は日本でも加工食品分野で使用単位の商品ニーズが高まり、プラスチックを利用した小物包装(ポーションパック)が一気に市場に出回った。
量に対して商品個数が非常に増大したので“不具合”の発生も比例的に顕在化した。 以前に勤務していた加工食品を全国的に販売している会社でも例外でなく量目と封緘(ヒートシール)のクレームが日々殺到した。 計測技術担当であった私に特任が与えられて、その原因を調べてみるとヒートシールは熱可塑性現象を利用しているのにも拘わらず、接着面の温度管理ではなく仕上がった製品の接着強さ(引張強さ)で評価していることが分かった。 早速、接着面(溶着面)温度の計測法の開発に取り掛かった。
1/100秒単位の高速で1℃以下の精度、そして1計測あたりの数百から千のデータ処理が必要であった。計測法は完成したものの当時の総合的な技術水準から、一般化は困難であった。 高度な品質管理技術として約15年間、1企業内で機能の確認と醸成が行われた。 マイクロエレクトロニクスの発展と廉価化を観て、1996年に独立して本格的な研究と汎用技術の開発を始めた。 1998年の東京パックに溶着面温度測定法:
“MTMS”
を世界に先駆けて公開/発表した。 各位(各社)から寄せられたヒートシールの課題(既に200件(社)を超えている)をこの測定装置を使って解析/評価を行った。
各位から寄せられた課題を整理/整頓して、体系的な検討を行ったのが一連の研究である。
研究の論文化に努力し、その結果として2006年に学位(東京大学)の授与を受けた。 お世話になった社会還元として2007年に「ヒートシールの基礎と実際」(幸書房刊)の発刊を行った。 研究/発表/学位授与/発刊/「学会賞」/世界標準/食・水の安定供給/世界平和の貢献のプロセスが研究者/技術者の存在価値と思っている。 このプロセスにおける「学位」と「学会賞」の授与は個人的な名誉である。 しかしこの栄がモチベーション(やる気)とバイタリティー(活力)を支えていたことを率直に認めたい。 そしてこれからの更なる社会貢献に注ぎたいと思っている。 具体的にはこの業績の世界標準化を目指している。 発刊本の英語版が今秋にアメリカから出版される。 推進に必要なテキストの完成で準備も整った。
若人に対する励ましの言葉に「少年老い易く学成り難し一寸の光陰軽んずべからず」、「少年よ大志を抱け」が著明である。 又、2500年前の儒教始祖の孔子の言葉に「吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲するところに従って、矩を踰えず」 がある。 遅ればせながら自分にとって、やっとこの域に到達できたかなと思う。 「やる気」、「活力」そして健康。 これらを天命と思って余生を研究の発展に注ぎ続けたいと念じている。
各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願い致したい。
2008年7月5日
■2008年を迎えた所感
お世話になっています。
昨年は企業や政治、行政が司った放漫なマネージメントの“ツケ”の謝罪会見が日常茶飯事のように催されていた。 腐敗菌混入の事例のような安全性を脅かすものは言語道断であるが、原産地のブランド偽装、賞味期限表示や製造方法の改竄事件では必要とかけ離れた表示と賞味期限の設定、形にこだわった自然産物の浪費の実態には、企業経営の相も変わらない増収/増益主義の背景があることを否定できない。
しかし、消費者の我が儘な要求(ニーズ)を増長しているマスコミと企業の怠慢の悪循環(コンプライアンス)を指摘する論は余り見かけない。 物造りは「技術/技能」に支えられている。
「科学論」は自然の摂理を明確にしていて、どちらかと言えば人間にとって“不具合”なことを提示している。 「技術」は科学の検証に裏付けられていると思っていたら、何時の間にか都合の良いところ取りだけの利用になってしまっている。 科学と技術の世界に身を置く一人(技術士)として思いがかなわない現状を非常に残念に思っている。
昨年の7月には、私の懸案の[ヒートシールの基礎と実際](幸書房刊)の出版がかない、長年の学位研究を世に問うことができた。 やっと新春にはこの本の≪英語版≫(翻訳版)がアメリカから出版される段取りになった。 この英語版テキストを展開して、技術士事務所開設以来の計画である新しいヒートシール論理の≪世界標準化≫への具体的な活動を開始する。
6月にバンコックで開催されるIAPRI 2008での適用論文の発表と溶着面温度測定法:
“MTMS”
の普及キャンペーン、アメリカ包装界との連携で生分解性プラスチック(バイオプラスチック)の実用的ヒートシール法を軸にした普及を推進する。
今日の包装技法は高価な包装材料の普及を誘導し、世界的には、包装の基本機能の平等的な発展を欠いている。 最も重要な60数億人の食の安定供給には必ずしも貢献をしていない。
私の提案している
“MTMS”
と
“QAMM”
を梃にして、失われつつある科学と技術の連携倫理観(コンプライアンス;compliance)の向上に更に頑張ってみたいと思っている。
各位には、
“MTMS”
を日常活動に普及して戴けるような取り組みを強化していきたい。
日常の活動の一助のために 昨年発刊した「ヒートシールの基礎と実際」(幸書房刊)の質疑コーナーとして
「ヒートシール倶楽部」
のブログを開設した。 このコーナーを各位のコミュニケーションの場となるように発展させたい。 そして
“MTMS”
の協業者を増やしたい。
科学的に検証された「役に立つ提案」には少なくとも5年は掛かりそうである。 自分が存在できた証が残せるように、はっきりと自覚できる寄る年波に押しつぶされることなく、老骨に鞭を打って、今年も“現役”を走り続けたいと念じている。
本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願い致したい。
2008年1月1日
ヒートシールの総合解説書:
「高信頼性 ヒートシールの基礎と実際」 ‐溶着面温度測定法;
“MTMS”
‐の活用
■発刊のご挨拶
お世話になっています。
本ホームページの“ヒートシールワールド”上でも溶着面温度測定法;
“MTMS”
とこの適用事例や導入方法についてお知らせしておりますが、ここ10年の取り組みを集大成して総合解説書として表記の本を7月に幸書房さんから発刊しました。 学協会を通して、初のヒートシールの総合書ができあがったと思っております。
この本には168の図表を掲載しています。 これらは、ここ10年間に各位から寄せられたヒートシールの課題に対処した実験を元にしたオリジナルデータです。
この本は学位論文(東京大学)に記述したほとんどの事項を平易に書き直し、一般的な解説を追加してヒートシールの基本学習、課題照会、そして実測データを多数配してヒートシールの実務者にはハンドブックとしてもご利用戴けるように編集してみました。
ヒートシールはプラスチックを包装に適用する上で不可欠な技法として半世紀もの間、利用されてきています。 しかし、接着面の引張強さに傾注するあまり、検査上は強さが大きく出る高温域加熱の凝集接着の破れシール(tear seal)を追及することとなって、ヒートシールの信頼性を損ねる最大の“不具合”であるピンホールや破袋の発生を招いています。
本書ではヒートシールの解析/管理を熱接着面の温度計測をベースにしています。
溶着面温度を管理指標にすることにより、ヒートシールの活用範囲をヒートシール強さの発現過程の剥がれシール(界面接着;peel seal)から破れシールの全温度領域に拡大できます。 こうすることによってヒートシール現象の全容が分かるようになりました。 特に、剥がれシールから破れシールへの移行領域に焦点を当てることによって、ヒートシールの信頼性の改善する論理を展開できます。技術面では展開論理を集大成して、生分解性プラスチック(バイオプラスチック)のヒートシール法の確立やヒートシールの最大の課題であるピンホール/破袋の発生を究極的に改善する
“Compo Seal”
の最新情報も提示しています。
本書が各位の座右に置かれ、懸案のヒートシールの問題の解決と信頼性の向上に寄与し、包装材料の節約/有効利用に貢献できることを期待しています。
英語版がアメリカより間もなく出版されます。 本書がヒートシールの世界標準へ発展することを祈念しています。
※右をクリックすると
「ヒートシールの解説書発刊!コーナー」
に移動します。
2007年9月吉日
菱沼技術士事務所 代表
■2007年の所感
お世話になっております。
2007年の新春を迎え旧年の振り返りと今年の抱負を述べましょう。
キリストが誕生してもう2000年以上にも経っているのに、賢明な人々の努力によってもそれ以前のしがらみが未だに解決できないどころかそれに新たなしがらみが重なって、世界はますます混沌としている。 人々の生存の拠り所である信仰が政権の具に利用されて久しい。 何時になったら信仰が“本物”になるのか?
人類の平和のために信仰(宗教)は機能するのか?
我々日本人が「善」としてきた“経済活動”はモノの豊かさを充足してきたが宗教と民族意識との折り合いにおいては満足を与えていない。モノと金力の繁栄は日本人の安住の場所である家庭の崩壊の原因にもなりつつある。 容易に物質的な豊かさが手に入るようになって「安心」、「安全」、「清潔」の基本概念が曖昧に理解されていたり、ご都合主義になっているのではないだろうか?「安心」が先か「安全」確保が先か? この捉えかたの優先順位が自己中心だと、結果はとんでもないことになる。 「安心」は「安全」対策とセットでなければならないが、刹那的な要求で安易に「安心」を求めていないか。日常生活だけではなく経済活動、行政活動にも間違った「安心」が入り込んできているようだ。 企業や行政の不始末に対するお決まりのお詫びの挨拶はもう本当になくなってもらいたいも のだ。 戦後の窮状を抜け出られたのは、「追いつき追い越せ」 の謙虚な気持ちが今日の日本を作り上げている。しかしこの当事者は大変だったことを余り多くを語らない遠慮が世代交代に不具合を醸し出していないか。 年寄りや団塊世代はもっと思っていることを発言して欲しいものだ。
昨年5月、ここ10年の技術士活動で展開してきたヒートシール技法の改革:
“MTMS”
の研究に東京大学から学位(博士)を授与して戴いた。
小さい頃からの念願の大きな目標に到達することができた。 この研究は私が包装分野に参画した当初からの課題でもあった。 これを励にして「ヒートシール管理法」の世界的な革新と標準の完成に向けて本年も一層頑張っていきたい。 具体的には昨年の宣言に遅れが出ているが、この「論理」と「技術」を世界に向かって発信する。早春には日本語版を、そして世界中の期待に応えるために英語版の発刊に精力を傾注し、
“MTMS”
と
“QAMM”
の進化を加速していきたいと思っている。
寄る年波に押しつぶされることなく、老骨に鞭を打って今年も“現役”を走り続けたいと念じている。 本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願いしたい。
2007年1月1日
菱沼技術士事務所 代表
■学位授与のご報告と
ヒートシールの「コンサルティング・パック」のご提案
従来のヒートシール管理法の“不具合”の改革に取り組んで、そろそろ一昔になります。
第8回日本包装学会の年次大会(1999年)初めとして取り組み経過の発表と日本包装学会誌、日本接着学会誌への論文投稿に努めてきました。
投稿論文を主体にして、
『熱溶着(ヒートシール)の加熱温度の最適化』
として、溶着面温度をパラメータにしたヒートシール技法の全般の体系化論文を東京大学農学生命科学研究科において論文の審査をしていただき、
過日(5月12日)に学位[博士(農学)]を授与していただきました。 ヒートシール強さ至上の従来のヒートシールの管理法は破れシール(凝集接着,Tear seal, Cohesive, Break)に偏重してしまって、包装材料の本来の特性を生かしきれない“手詰まり”状態となっていました。従って、合理性の追求は停滞して、業界においては機能分担の不明確な状態が長く続き、ヒートシールの信頼性の向上はなおざりにされていました。 本研究では、ヒートシールを溶着面温度をパラメータにした詳細な評価に取り組み、従来は避けてきた剥れシール(界面接着, 粘着,擬似接着,Peel seal, Adhesive)領域を正面から取り扱えるようになりました。 ヒートシールの全加熱温度帯の体系的検討によって、新規な知見を多く発見することができています。 この論文は関係各位の長年の課題の解析と改善に貢献できると確信しております。
学位取得を機に関連ノウハウと取得特許を全面的公開して、新規のヒートシール技法の普及と発展に尽力したいと存じます。
具体的には、ヒートシールの
「
コンサルティング・パック
」
をご提供申し上げます。 関係各位のご活用を期待しております。
2006年1月1日
菱沼技術士事務所 代表
■2006年を迎えた所感
お世話になっております。 昨年を振り返って、技術と科学の狭間に居る者の今年の行動規範を整頓してみました。
昨年は国内外で、国交/政治にも民間活動おいても倫理観の欠如の目立った事件が多かった。 色々な場面での同時的な発生は偶然なのだろうか?
思惑に従って“モノ”を造りだすのは人間の特権でありますが・・・
歴史的な人々の思惑の集大成が
「社会科学論」
、自然の摂理の解釈の集大成が
「自然科学論」
であり、
「自然科学論」
は人間がやろうとすること(社会科学論)の危険を示唆するものであります。
かつて、自然の現象を解析し、正しく理解しようと提案して、権力者によって幽閉されたり、圧迫で苦悶した科学者が居たことを鮮明に思い浮かべます。
「技術」
は
「自然科学論」
の検証によるって正しいことを実行する手段のように持ちはやされていますが、どうも
「社会科学論」
の展開の強力な手段と理解する方が適当ではないかと思われます。
「社会科学論」
は好むと好まざるとに拘わらず、・儲け主義、・安全性軽視、・消費者志向軽視、・政略的、・宗教的、・思想的、・歴史的認識をツールとして社会活動を展開しています。
「自然科学論」
の原則は生命の安全性を保証ための自然現象の理解の明文化です。 経済性優先の論理展開には警鐘となることが多いでしょう。今日の状況は
「社会科学論」
/
「自然科学論」
のバランスが物欲、金欲に押されて、
「良識」
が後退しているのではないのだろうか?
『科学/技術』
を一纏めにした「錦の御旗」も論理的に怪しくなっている。
と強く感じています。
技術と科学の狭間に生活している当時者は飽くなき努力をしていると胸をはれるであろうか? 「品質」や「コンプライアンス」は法律や規則を前提にしているが、実際は「社会科学論」/「自然科学論」のバランス維持するように関係当事者が真摯に実行することが王道ではないかと思っています。
本年も「良識者」(技術士)の一人としてこの課題の改善に頑張ってみたい。
各位のご指導、ご鞭撻を戴き、幣所も開設10年を経過することができました。
幣所のコンサルティングの主体である
“QAMM”
は各位の理解も深まって、コンプライアンスの検証手段として、多方面にご利用戴き、又納得の戴ける成果も生み出しております。
“MTMS”
も熱溶着(ヒートシール)の革新技法として順調に進化しています。
従来からの課題の抜本的解決手段として脚光を戴いております。
10年来、各位から寄せられた課題の改善方法理論的整頓と技術開発も体系化できつつあります。 本年中には集大成として
『ヒートシール』
の出版を実現し、世の期待に応えたいと思っています。
本年も各位の益々のご指導、ご鞭撻よろしくお願いします。
2006年1月1日
菱沼技術士事務所 代表
■2005年の所感
お世話になっております。
昨年の3月にオランダを訪問した時、ある政府関係者が4月にはEUの加盟が25ヶ国になって4.5億人の経済社会が出来上がると誇らしげに語っていた。
第2次世界大戦後の1946年にW.チャーチルのヨーロッパ合衆国構想の提唱にはじまってEUは“大経済圏”に発展したことになる。ソ連の崩壊と共に東欧諸国が次々と加盟して、過ってのヨーロッパを支配したオスマントルコの国であったイスラム圏のトルコの加盟の検討も始まった。 2000年以上も遡る宗教戦争も未だにその解決の目処が見出せず、大国の一極支配と経済至上主義が混迷に拍車を掛けている。 ヨーロッパの大連合が社会科学論の大革命となって食料戦争への拡大の抑止力となることを念じたい。無宗教国家と言われている1億26百万人の(島国の)“日本経済人種”はどう理解し対処するかが迫られる?
幣所の開発したプラスチック包装のヒートシール理論;
“MTMS”
[溶着面温度測定法]
は昨年の11月 にシカゴで開催されたPACK EXPO Internationalカンファレンスで、講演の機会を戴き欧米社会に向けて情報発信ができました。
幣所の長年の懸案であるヒートシール理論のグローバルスタンダード化が一歩進みました。 食料の安定供給のためには包装機能は不可欠です。
“MTMS”
の適用で、「高価化」する日米の包装技法に歯止めをかけ、包装技術の世界的な“平等利用”を図り、世界平和の一端に寄与できたらと老骨に鞭を打って今年も表通りを走り続けたいと念じています。
本年も各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願い致します。
2005年1月1日
≪ホームページ開設の挨拶≫
菱沼技術士事務所は1996年の開設依頼9年経過しました。かつての企業内活動の経験から“曖昧な”組織運営を数量的なマネージメントへの変革を目指し、数量化マネージメント手法;“QAMM”を開発し、各社さんの“不具合”の解析・改善の支援を続けています。 既に出会っていただいた会社さんは国内外で100社さんを超えています。
“QAMM”展開の代表的な成果は、包装界で共通の「難儀課題」でありますヒートシールの抜本的解決技法の「溶着面温度測定法」;“MTMS”の開発でした。
“MTMS”は国際的な広がりを戴いております。 合理的な設計とトラブル対策に包装材料の“真”の廉価化と、20世紀の特徴的技術であるプラスチック包装材料の全人類への平等的普及に貢献できると確信しています。
“QAMM”は全員参画を求めず、(少数精鋭の活動による)一人一人のそれぞれの領域での機能/活動を明確化して、組織全体の合理的な活性化を可能にします。
実際には「品質」、「コスト」、「稼働率」を基軸にして、 “不具合”の情報を頂戴して、発生原理を現象として捉え、発生メカニズムを原理解析して、改善方法検討し、各位に“安心”、“働き甲斐”、“生き甲斐”を提供していきます。
“QAMM”は業種に関係なく対応/お手伝いが出来ます。
ご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
2003年9月
菱沼技術士事務所 代表
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